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考えたことの記録

「モオツァルト・無常という事」

モオツァルト・無常という事 (新潮文庫)
モオツァルト・無常という事 (新潮文庫)小林 秀雄

新潮社 1961-05-17
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京都の雑貨店、アンジェのフリーペーパーの書評コーナーに掲載されていた本。
読んですぐ本屋で探して買ってしまった。



小林秀雄、高校の教科書に掲載されていたような記憶があるけれど、自分で読もうと思ったことはなかった。

収録作品は、「徒然草」「当麻」「西行」「平家物語」「蘇我馬子の墓」「光悦と宗達」と、意外にも守備範囲内。
蘇我馬子の墓」は、「日出処の天子」でエピソードが再生される。


大和三山が美しい。それは、どの様な歴史の設計図をもってしても、要約の出来ぬ美しさの様に見える。「万葉」の歌人等は、あの山の線や色合いや質量に従って、自分達の感覚や思想を調整したであろう。(p.163)

この文章が一番すごいと思った。


あと、能が観たくなった。古代から引き継がれている重要な物語は能という形式にパッケージされているのではないか。